Monthly News Letter

芸術の秋になりました

皆さんこんにちは。

銀座柳画廊副社長の野呂洋子です。今回は、この仕事を32年もしていて初めて経験した修復についての驚きの発見のご紹介です。

画廊の仕事をしていると、オークションで絵画を購入するときに、必ず見るのが修復歴です。特に、高額な作品を購入するとなると、過去にどのような修復がされているのか。裏打ちをするのかなどを確認いたします。裏打ちについては、事前の下見のときに額を外してもらいキャンバスの裏を見れば一目瞭然です。しかし、補色などの修復に関しては、ブラックライトを当てなければわかりません。

今回、私が驚いたのはお客様から依頼されて、厚塗りのボロボロになった絵画の修復を腕のよい修復家に依頼したところ、割れて下地が出ていたような作品が見事に綺麗になって戻ってきたので感激した時に、スタッフの内田が「ブラックライトを当ててみてよいですか?」というので、ブラックライトをあててみたところ、殆ど反応しないので驚きました。修復家の説明では、割れたり、絵具が縮んで下地がでたような部分を合わせて接着して綺麗にした場合には、補彩が入っていないため、ブラックライトをあてても反応しないとのことでした。私の修復に対する考えは、修復家による大幅な手が入ることを修復だと思っておりましたが、割れた作品や、絵具が剥落していたものを額などから集めて、その時の絵具を張り付けたりしたような場合は、ブラックライトには反応せず、後にオークションなどでの修復歴を見ても、そのような修復は修復されたことにならないということです。

目から鱗の驚きでした。修復に対する考えが一気にかわり、色を補彩すること、現代の材料を見える部分にアタッチすることが修復歴として残るのだとわかり、これからオークションハウスなどで修復歴に対する考え方や確認することなどが、より深い理解のもとで実施することが出来るようになったと喜んでいます。

修復家の方から学ぶことは、まだまだ画商として多くありそうです。

Author:
野呂 洋子
Monthly News Letter