Monthly News Letter

画廊の仕事

国立西洋美術館で開催されていた「ピカソとその時代-ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」(1月22日で終了)を観て、
ピカソの作品が好きな私としては久し振りに衝撃を受けました。

ベルクグリューン美術館は、パリで画廊を営んでいたハインツ・ベルクグリューン(1914-2007年)氏が
生まれ故郷のベルリンへ戻り、コレクションを一般公開した後、ドイツ政府とベルリン市の資金を基に、
氏から主要なコレクションを受け継ぎ設立された美術館です。

事前にあまり調べもせず、タイトルからせいぜい10数点の「ピカソ」は観れるだろうと思って伺いましたが、
46点もの「ピカソ」作品が展示されておりました。
「ピカソ」の他には「セザンヌ」、「クレー」、「マティス」など、総点数108点の作品で構成された素晴らしい展覧会でした。

名画商が集めたコレクションは、小ぶりでかわいい作品が多く、チャンスがあったなら銀座柳画廊のお客様に是非紹介したいと
思うものばかりでした。
実はコレクションの1点は30年ほど前に弊社の社長も関わり日本のコレクターに販売した作品で、
巡り巡ってベルリンの美術館に収蔵され、今回の展覧会で再会したと聞き、これも画廊の仕事の面白い一面だと思いました。

画廊が扱う作品は、亡くなってしまった作家のものと、現役で活躍する作家ものに分かれますが、私はこの両方ともが
大切だと思っています。
亡くなった作家のものは希少性と安定感、現役作家のものは新鮮さや作家との連帯感を味わえることが一番の魅力です。

いずれにしても画廊の仕事は、良い作品やお客様との出会い、また協力者との良い関係が重要な鍵となります。
購入いただいたお客様、制作した作家、普段から協力いただいている関係者みんなが喜ぶ、そんな取引を続けることが
画廊の繁栄につながると信じて仕事をしています。

追伸 「ピカソとその時代-ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」は、国立国際美術館(大阪市)へ
巡回予定です(2023年2月4日-5月21日)。
また、3月5日(日)からの銀座柳画廊「春の名品展」(仮称)にも「ピカソ」作品が何点か出品される予定です。
こちらは購入可能ですのでご期待ください。

Author:
内田 繁弥
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