Monthly News Letter

ニューヨーク滞在記

5年半ぶりにニューヨークに副社長と行ってまいりました。
きっかけは航空会社の期限切れそうなマイルの消化です。最初はパリのキャンセル待ち特典航空券を待っていたところ、
すべて有償で完売しましたと言われました。ニューヨークならば、アップグレードで使えるかもしれないと言われて行くことにしました。
奇跡的にマイルでアップグレードが取れました。行きも帰りもビジネスクラスは満席でした。正月のフランス往復がガラガラで
あったことを思うと、海外出張や旅行者が増えているのだなあと思いました。
特に行きの便は羽田の23時ごろの遅い便でしたが、手荷物検査場、チェックインカウンター、駐車場など、物凄い混み具合でした。
かなり余裕を持って行ったのですが、ぎりぎり乗れた感じです。

昨年の5月より毎朝5キロのジョギングをしておりますが、ニューヨークの早朝にも毎朝5キロから7キロをセントラルパークのジョギングしてきました。
朝6時くらいから走っているとほとんどの方に抜かれました。隅田川を走っていてもたまに抜かれるくらいですが、ニューヨークではほとんどの方がもの
すごいスピードでランニングされているのは驚かされました。今回は自転車をこいでいる方がものすごく増えていたのにも驚きました。
ジョギングの最中のセントラルパークからの眺めは、新緑や池やリスや小鳥など桜まで咲いていて最高でした。
今回は5年半前と比べて全てが高騰しており、日本がいかに良心的かを思い知らされました。加えてチップを20%、25%、30%から選んでくださいと、
大変です。日本はチップもなく最高のサービスです。

街や人々からはものすごいエネルギーが発散されており、非常に刺激を受けました。ただしぼろぼろの舗装道路は、タクシーに乗っても気持ちが悪くなる
くらい飛び跳ねて、これではすぐ車がガタガタになりそうです。マンハッタンですら道路を修理する予算がないのかと不思議に思います。

メトロポリタン美術館、MOMA,グッゲンハイム美術館、フリックコレクションなども今回ゆっくり鑑賞して、感動してまいりました。また、アクアベラ
ギャラリーのボナール展は驚きのクオリティーでした。ナマッド画廊、ガゴシアンも毎回規模やクオリティーが拡大しておりアメリカの美術業界の規模と
質は見習わないといけないと思っております。クリスティーズの本社にも行ってきましたが、版画の下見会があり、ピカソの貧しき食事の1905年の初刷りと
1913年のあと刷り作品が展示されており、初刷りのものは手数料を加えると10億円くらいになりそうとのことでした。当時は一点も売れなかった作品です。
ピカソの作品は1905年当時、全く売れない画家だったのです。アンブロワーズ・ヴォラールをはじめとする当時の優秀な画商によって、当時は評価が低かった
印象派画家たちや、エコールドパリの画家たちを世界的な大巨匠に仕立て上げました。

世界的にみると当時のフランス画壇が今の日本の美術画壇と被ってみえます。日本の隠れた巨匠を世界的な巨匠にしたいという夢を、自分の画商人生をかけて
実現したいものです。

ついでにミュージカルのマイケルジャクソンを鑑賞してきました。天才的なミュージシャンで楽しめました。
大谷翔平さんがNYに来ているという情報をえて、ヤンキーズタジアムのチケットをネットで手に入れ、大谷翔平の試合を観戦してきました。残念ながら当日は
活躍できませんでしたがオーラは感じられ、敵のヤンキーズファンからも声援があるほどの人気でした。大谷翔平級の日本人アーティストか日本人画商が日本の
美術業界に誕生するように、仲間と努力したいと思います。

今月5月12日より27日まで有田巧フレスコ画展を銀座柳画廊にて会期中無休にて開催いたします。隠れた巨匠のひとりです。是非ご高覧お願い申し上げます。

Author:
銀座柳画廊 代表取締役社長 野呂好彦
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