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ごあいさつにかえて 2025.11.01
8月に入社いたしました、髙橋暖佳と申します。
初めてのマンスリーレターになりますので、簡単に自己紹介をさせていただきます。
子どもの頃、父に連れられて訪れた国立西洋美術館で、ポール・シニャックの《サン=トロペの港》に出会い、芸術に興味を持ちました。
それ以来、美術館へ足を運ぶようになりましたが、美術はあくまで趣味の範囲で、まさか自分が画廊で働く日が来るとは思ってもいませんでした。
銀座柳画廊に応募したのも、二週間前にたまたま求人を見つけたことがきっかけで完全な勢いからでしたが、今は全く異なる業界から飛び込んだ新しい環境の中で、毎日新鮮な学びと発見にあふれています。
そんな私にはもう一つ、茶道という大切な時間があります。
先日、ご縁をいただき、大勢のお客様をお迎えするお茶会で亭主を務めさせていただきました。
長年日本文化に携わってこられた方々を前に、緊張で手が震える場面もあり、手順を間違えることもありました。
それでもお客様は誰一人として嫌な顔をされることなく、指先や泡の立ち方など細やかな点を見つけてお褒めの言葉をくださり、さらに「全員分点てるのは大変でしょう」と労いの言葉までかけてくださいました。
また、水屋を一人で回していた私に「何かお手伝いできることはありますか」と声をかけてくださるお客様もいらっしゃいました。
そのお心遣いに触れ、文化人とは知識や肩書きではなく、相手への敬意と温かい思いやりの心を持つ方々のことなのだと深く感じました。
入社してまだ数ヶ月ですが、画廊の仕事もまた、人と人との関係性で成り立っていることを学びつつあります。
これからは私自身も一人の文化人として、思いやりと敬意をもってお客様をお迎えしたいと思っております。
秋もいよいよ深まり、街の空気にも芸術の香りが漂う季節となりました。
11月の銀座柳画廊では、現代作家を中心とした常設展を開催しております。どうぞお近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。
