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喜多尾ボンタン礼子

年をとったライオンとキツネ

油彩

30F (91 × 72.7cm)

2018年

イソップ寓話「年をとったライオンとキツネ」の中に静物画を合わせた独創的な作品です。

「年をとったライオンとキツネ」
年寄りのライオンがいました。ライオンは体が弱っていたので、もう、若い頃の様に走って狩りをするのが面倒でした。
そこで良い事を思いつき、こんなおふれを動物たちに出しました。

《動物の王であるわたし『ライオン』は病気になってしまった。わたしの見舞いに洞窟まで来た者には、褒美と高い位を授けよう》

そして見舞いに来た動物たちを、ライオンは片っ端から食べてしまいました。
しかし、キツネだけは来ませんでした。
ライオンはキツネに、「なぜ来ないのか」と、尋ねました。すると、頭の良いキツネは答えました。
「はい、洞窟に入ったみんなの足跡は残っているのですが、洞窟から出た足跡は一つもありません。きっと、洞窟からどうやって出たら良いのか、みんな分からなかったのでしょう。わたしも分からなくなると困るので、行きませんでした」
「・・・・・・」 
さすがのライオンも、これには何も言い返せませんでした。

この様に頭の良い人は、ちょっとしたヒントから危険を察知し、危ない目に会わずにすむのです。