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柳画廊の特集やトピックスです。

 掲載記事 - サライ1997年12月
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SAREI1997年12月


肖像画
デッサン

絵が好きだから、写真ではなく肖像画を選ぶ

洋の東西を問わず、肖像画は絵画の大きなテーマだった。近世に至ってようやく無名の人々も肖像画を残す習慣、文化が発達したが、写真の登場でまたたくまにとって代わられた。しかし普通の人間が、ただ描いて貰いたくて描かれる肖像画は今も健在だ。肖像画は多くの場合、画廊が窓口になる。
「普通のお客様からの依頼は意外と多いんです。肖像画は依頼主のモデルの家にすぐ飾られてしまいますから、目立たないだけなんです」 と、東京銀座の「日動画廊」の和田忠博氏。大手画廊、例えば「日動画廊」では、桐野江節雄氏など何人かの肖像画を描ける画家を抱えている。依頼者は見本の中から画家を選び、画家の前で直接モデルになるという段取りになる。
「画廊に飾ってある肖像画をご覧になって、急に申し込まれる方もあります。写真よりも費用はずっと掛かりますが、本当に絵のお好きな方が依頼されます」 とは、銀座の「柳画廊」の野呂洋 子氏。

仕上がりまでの日数はあくまで画家のスケジュール次第だが、1か月から半年は見なければならない。費用は絵の大きさ(号数)、額装の程度などによって異なるが、標準の15号(ヨコ約53p×タテ65・2p)で150万〜200万円が目安になる。
東京の得能正照(73歳)・温子(67歳)夫妻は「柳画廊」を窓口にして大阪在住の画家、栄永大治良氏に肖像画を描いてもらった。
「ふたりとも絵が好きで、金婚式の記念に、写真ではなく絵を残したかったんです。以前から栄永先生のファンで、デッサンが素晴らしいから是非にとお願いしました」(得能氏) 肖像画を手がける画家は、実はそう多くない。本当に技術のある画家ででなければ、肖像画は描けないという。他の分野で活躍していて肖像画は手がけないのではなく、実は描けない画家も多いという。当然、 モデルの内面も表現する作品性も求められる。画家の栄永氏は言う。
「その人の顔形からしか内面には迫れんのです。形態から入ってモデルの内面、時代背景も含めて本質に到達する、それが肖像画やと思います」
今回の特集で取り上げた肖像絵画、肖像写真の作家たちの被写体になった人々の口からでる共通した感想は、自分が知らなかった自分の姿に出会った驚きだ。撮られるとき、描かれ るときに自分が見抜かれている気がするが、不思議に心地好いとも言う。
知らなかった自分に出会える、それが肖像画、肖像写真の隠れた醍醐味であるらしい。


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サライ1997年12月


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